弊店が「河内屋」の屋号で醤油造りをはじめたのは、江戸時代の天明七年(1787)、近江商人だった初代 岡 忠兵衛は、水が豊かで風光明媚、銅街道の宿場町として栄える上州・大間々の地に、醤油醸造業を興しました。
以来二百余年、四世紀にまたがり、代々受け継がれた仕込み桶を使った本醸造しょうゆ、その中でも特に『木桶仕込みの天然醸造しょうゆ』にこだわり、手間ひまをかけて作っております。
以前は、醤油の製法は伝承の技術でした。現在でも、自然の温度変化によって発酵熟成させる天然醸造醤油造りには、職人の技と勘が欠かせません。木桶に仕込んだ諸味の具合を見て攪拌を重ね熟成を促したり、搾りの時期を決定したりと手間を惜しみません。
天然醸造醤油造りは、人出も時間もかかります。しかし、弊店では、原料から製法までこだわり抜いた「日本一」の名にふさわしい醤油をお届けするため、赤子を育てるように職人が日々丹精こめて作っております。
大豆は、国産の丸大豆。小麦は、群馬県産の小麦にこだわり使っています。特に、日本一しょうゆ 一番しぼり、二段仕込みには、国内の生産量が極めて少なくダイヤモンド並みに貴重といわれている国産の有機丸大豆、有機小麦にこだわり、100%原料としています。
そんなこだわりの原料は、すべて代々受け継がれた仕込み桶を使って仕込みます。現在のものは、明治〜昭和初期に作られたものを手入れしながら使っています。
この大桶の大きさは、6尺桶、7尺桶、8尺桶の3種類があり、7尺桶の場合、深さが約2m10cm、直径が2m60cmにもなります。この釘一本使われていない大桶は、現代では作れる職人も少なく、大変貴重なものです。
原料から製法までこだわった木桶仕込み・天然醸造の「日本一しょうゆ」。その醤油の良さ、風味の違いを味わって戴きたいとの思いから、平成16年(2004)小田急線町田駅近くに、『醤油料理 天忠(てんちゅう)』を開店いたしました。
旬の素材を使い、料理長が腕をふるった料理の数々、会席膳。
自慢の醤油とこだわりの出汁で作った特製つゆと毎日店内で手打ちしております自家製うどん。ご好評頂いております醤油デザート。
季節の料理を通して、名脇役であるとともに主役でもあります醤油をご堪能戴ければ幸いに存じます。